2008年9月10日水曜日

三段構成の文

三段構成の文

皆さんは初級日本語のクラスで作文を書いた経験がありますね。どんなことを考えていい作文を書いたらいいか思い出してください。構成は三段構成だったと思いますが、もう一度その書き方を復習してみましょう。

①序文 → ②本文 → ③結論 でしたね。

例えば、「日本語と私」という題の作文を書くとしましょう。まず、何を書きたいか、何が書けるか、何か面白いエピソードがあるかなど書き出してみましょう。

・勉強の目的
・初めて日本語と出会ったのは?
・日本語のクラスの第一印象
・日本語の先生
・初めて日本人と話したとき
・まんが、アニメ、ポップカルチャーが大好き
・自分の将来
・やめたいと思ったとき


などなど、他にも自分の経験を思い出しましょう。

次に、この中から何を序文に、本文に、まとめに書いたら、面白くなりそうか考えて  みましょう。
日本語の文は事実だけを書く「私はこうした」とか自分中心の「私はこう思う」というふうに筆者を全面に押し出すより、読者のことを考えながら書くような書き方がいいでしょう。

それでは書き出したリストから作文を構成してみましょう。いらないものは使わなくてもいいです。

例 序文  日本語のクラスの第一印象
日本語の先生

本文  初めて日本語と出会ったのは?
まんが、アニメ、ポップカルチャーが大好き
初めて日本人と話したとき
勉強の目的

結論 自分の将来

♦書くときに注意すること

①思ったこと、考えたこと、感じたこと、感動したことを書いてみましょう。うれしいこと、楽しいこと、悲しいこと、すごいと感じたことなどです。

②五感も使って書きましょう。手で触った、目で見た、味わったことなども描写してみましょう。

③ 文全体の中でフォーカスを当てて描写する部分を入れましょう。そうすると文がおもしろくなります。

④ 接続詞や指示代名詞を上手に使うと文の流れや接続がスムーズに行くでしょう。
『だから、なぜなら、もしも、それから、しかし、この〜は、そこでは、』そして、
『例えば』と付け加えるのもいいでしょう。

⑤話したこと、つまり会話を挿入すると文にメリハリが出てきます。『「もっと勉強しなくちゃ」と姉が言った。』という風に。

⑥日本語の文章はよく「読み手を考える」と言われています。特に最後の段落で
「〜と思いませんか。」「〜ないだろうか。」「〜したいですね。」というように読者と対話するような文で終わることがよくあります。文を書くときに読者を頭の中に思い描いて書いてみましょう。

それでは三段構成の文を書いてみましょう。

題『日本語と私』

「たってください」「すわってください」「見てください」—今ならわかる。でも、初めて日本語のクラスに出た時、先生が日本語で「わーわーわー」と言っても何も分からなかった。回りの人がすることを見ながら自分も立ったり、座ったりしていた。先生は元気で楽しそうだったけど、きびしそうな先生だった。どうしよう?できるかな?とても不安なスタートだった。

私が初めて日本語と出会ったのは、たぶん3歳の時だったと思う。ポケモンが大好きな私に両親が日本の本物のDVDを買ってくれた。英語のサブタイトルはもちろん読めないから、日本語を聞いていた。さっぱり分からなくても画面を見てなんだか面白かったのを覚えている。だから、小さい時から日本のアニメやまんが、Jポップで育ってきた。そして、日本人はみんなかわいいと思ってた。でも、初めて日本人に会ったのは高校の時で、ちょっとこわい大きな空手の先生だった。かわいい空手の先生なんて迫力ないか。とにかく、空手よりも「れい」とか「せんせい」とか日本語が使えてすごくうれしかった。そして、もっと日本語を勉強して、日本へ行きたいと思うようになった。大学の入学がきまった。やった!日本語を勉強しよう。この時から1年半。毎日、日本人留学生と話すようにし、メールも日本語で書くようにしている。相変わらずアニメや漫画も大好きだ。少し日本語で聞いても分かるようになったけど、まだまだ先は長い。

来年は是非日本に留学したい。日本の大学でもっとたくさん日本語を勉強して、卒業したらJETで日本へ行く。読み書きも十分できるようになりたいし、日本人の友達をいっぱい作って日本文化を勉強したい。もっともっと日本のことがわかるようになったら、きっとこれを専門にしたいと思うようになるのではないだろうか。将来のことはまだはっきり分からないけど、楽しみにしていることは確かだ。